観光バス業界の現状と課題

観光バス業界の現状を解説|人手不足・車両コスト・安全対策の課題とは

■ はじめに

観光旅行、修学旅行、団体ツアー。
日本の観光を支えている大切な存在が「観光バス」です。

コロナ禍で大きな打撃を受けた後、
観光需要は回復傾向にありますが、
観光バス業界は決して「完全回復」とは言えない状況です。

表からは見えにくいですが、
現場にはいまも大きな課題が残っています。

この記事では、

✔ 観光バス業界の現状
✔ なぜ人手不足が起きているのか
✔ なぜ運賃だけでは採算が合わないのか
✔ 安全問題の本質はどこにあるのか

これらをできるだけ専門用語を使わずに、だけど誤魔化さず、本音で解説 します。

1️⃣ 深刻な「人手不足」問題

● なぜ観光バス運転手が足りないのか?

いま日本全国で
観光バス会社の多くが同じ悩みを抱えています。

👉「仕事はあるのに、運転手がいない」

その理由は1つではありません。
複数の要因が重なっています。

■ 給料と責任のバランスが取れていない

観光バス運転手は、
• 大型車両を操る高い運転技術
• 数十名の命を預かる責任
• 法令遵守・接客対応・気配り

非常に高度な仕事です。

しかし現実には、

✔ 責任に見合わない給与
✔ 賃金水準の地域差
✔ 生活を支える安定感に欠ける場合もある

「仕事としては魅力的でも、生活としては厳しい」
これが離職や人材不足を生んでいます。

■ 免許取得のハードルが高い

観光バスを運転するには

👉 大型二種免許が必要

しかし
• 教習費用が高い
• 時間がかかる
• 若者が挑戦しにくい

結果として
若い新しい担い手が入って来にくい構造になっています。

■ 生活リズムの問題

観光バスの仕事は、
• 早朝発
• 夜遅く帰庫
• 宿泊運行や不規則勤務

家族・子育てとの両立が難しいという声も多く、
中堅世代の離脱に繋がることもあります。

▶ その結果…
• ベテランドライバーの高齢化
• 若い世代が少ない
• 新規採用より退職が多い

→ 業界として“運行できる体制”自体がギリギリになっている会社も存在

2️⃣ 重すぎる「車両コスト」と維持費

● 観光バスは “買って終わり” ではない

観光バス一台の価格は
数千万円〜1億円近い車両も存在します。

しかし本当に大変なのはそこから。

■ 維持するだけで莫大なコスト


• 自動車税
• 車検
• タイヤ(1本数万円 × 複数本)
• オイル交換
• 各種消耗品
• 定期点検・整備費用

そして重要なのは、

👉「動いていなくても維持費がかかる」

観光バスは「止めておけばお金がかからない」ものではありません。

■ コロナ禍でのダメージがいまも残る

コロナ期間、
観光は止まり、バスは止まりましたが…

✔ ローンは止まらない
✔ 維持費は止まらない
✔ 収入だけが消えた

このダメージは今でも尾を引いています。

■ 新車購入は高い、古い車両は維持が大変

• 新しいバス → 高すぎる
• 古いバス → 整備コスト増大・部品供給問題

“どちらを選んでも会社に負担” という構造。

3️⃣ 安全問題 ― 「当たり前」を守り続けるために

観光バスに求められるのは、

👉「安全が当たり前であること」

しかし、それを支える現場には相当な努力があります。

■ 年々厳格化する安全基準


• 点呼
• 休憩時間の管理
• アルコールチェック
• 運行データ管理(デジタコ)

これは非常に重要で、
事故防止のために絶対必要なものです。

ですが同時に、

✔ 人手
✔ 管理コスト
✔ システム投資

企業には現実的な負担がかかっています。

■ 人手不足と安全は密接に関係している


• 人が足りない
→ 運用がギリギリ
→ 現場の負担増
→ ヒューマンエラーのリスクが増える

安全の大敵は “無理のある運用” です。

4️⃣ それでも観光バスが必要な理由

観光バスはただの移動手段ではありません。
• 修学旅行
• 社員旅行
• 観光ツアー
• 地域イベント
• 高齢者の外出支援
• インバウンド観光

日本の観光インフラを支える “社会の一部” です。

観光産業だけでなく、
地域経済や教育にも直結しています。

5️⃣ これから必要なこと

観光バス業界が
“持続可能な産業” になるためには、
いくつかの方向性が必要です。

✔ まずは運転手の待遇改善
• 賃金
• 勤務環境
• 働き方改革

「命を預かる仕事」に
それに見合った価値が必要です。

✔ 若い世代が「憧れる職業」に
• イメージ改革
• 教育制度
• キャリアモデルの提示

“やりがいはあるけど、生活が厳しい仕事” から
“誇りと安心が両立する仕事” へ。

✔ 「価格競争だけの業界」から脱却

価格だけで選ばれる世界では
安全投資が難しくなります。
• 適正価格の理解
• 安さより安心という価値観
• 社会全体で安全を支える認識

これも大切なポイントです。

■ まとめ

観光バス業界は
観光需要が戻りつつある今も、
依然として 人手不足・コスト・安全管理という大きな課題 を抱えています。

しかし同時に、
観光・教育・地域を支える
なくてはならない仕事 でもあります。

この記事が、

🚍 観光バスを利用する人
🚍 業界の外にいる人
🚍 行政や企業
🚍 そして同じ業界で働く仲間

それぞれに「知るきっかけ」となれば嬉しいです。